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2010年10月21日 (木)

このままでは、5年以内に、預金封鎖になってしまう!? ●干場

先日、明日書くなんて言いながら、今頃になってしまった小宮さんの新刊。
今日、発売。

Photo 前もちらりと書いたけれど、『ビジネスマンノための『発見力』養成講座』以降の小宮さんしかご存じない方は、ちょっと驚きかもしれない、その名も、

日本経済 このままでは預金封鎖になってしまう

帯には、
世界最悪の財政赤字があなたの資産を吹き飛ばす!

そう、本格経済本です。


でも、小宮さんは、大学こそ法学部ながら、最初のキャリアは、東京銀行で、ディーラー業務も、アナリスト業務も。その後は、会計大学院の教授もしていた大の経済通の経営コンサルタント。

普段は、ミクロ経済が専門ということなのだろうけれど、年に200回を超える経営者向けの講演では、当然、そのときどきの日本と世界の経済動向をふまえたうえでの経営判断のヒントを伝授する。
だから、そんじょそこらの自称「経済評論家』よりもずっと、マクロ経済にも詳しい。
詳しいと言うか、それが個人の生活、企業活動にもいかに重要か、身にしみていらっしゃる。まったく持って他人事ではない。

その小宮さんが満を持して著したのがこれ。
著したどころじゃない。吠えている。
穏やかな小宮さんの、わたしも知らなかったきびしさ、大胆さで、まさに、声を荒げて、訴える。

このままではいけない! このままではあぶない!

いかに危ないか? もうみんな見慣れた数字ーー37兆円の税収に、92兆円の予算という国家予算とその内訳を、会社の損益計算書になぞらえる。
会社なら、当然倒産している。

でも、借金である国債の95%は日本で買われているから、デフォルトにはならないーーそれがいかにあやういまやかしか。
今度は、銀行の貸借対照表をあげて、説明する。
たしかにやばい。もう、これ以上、国債なんて、買えないじゃん!?
誰も国債買う人いなくなったら、どうするの?
結局、中国とかが買うの?

恥ずかしながら、わたし、この本に関わるまで、結局、わたしたちの預金で、銀行が国債買ってるってこと、ちょっと考えれば分かることなんだけど、考えもしなかった。もちろん、郵貯に積んでるわたしたちの貯金のが95%が国債になってることも。

さらに、それが、市場で取引されているものである以上、値下がりする、どんどん値下がりする可能性も、あるってことを。

さらにさらに、インフレになるってことは、既に発行されている1000兆円分の赤字国債が値下がりするってことだってことを。ってことは、銀行の財務体質が一気に悪化するってことを。

さらにさらにさらに、ってことは、まとまって、銀行から預金がひきだされると、銀行はたちまち、支払い不能になってしまうってことを。そうなったら、つまり……預金封鎖。。。。。

(ちょっとはしょってしまって、間違ってる部分、あるかも。
どうか、本書でご確認ください)

というわけで、小宮さんは、いわゆるリフレ派、インフレターゲット論には、反対の立場。デフレ時には、インフレターゲットで、という定石が、現在のような史上最悪、世界最悪の財政赤字状態の日本には、当てはまらない、それどころか、危険この上ない経済政策だということを、順を追って、丁寧に、かつ、熱くのべる。

(なんてたって、第2章 インフレターゲットは危険な理論 の2項目は、「インフレから始まる日本破産のシナリオ」ですもん。。。)

(勝間さんと小宮さんは、ディスカヴァーの著者同士ということで、仲良しですが、この部分の考え方は、正反対ですね。理論派のお二人に、今度、公開討論でもおねがいしたいもの)

それだけではない。
中長期的な日本経済にとってのリスク要因として、
少子高齢化と中国の経済発展の減速の2点をあげている。

(少子高齢化はともかく、中国の経済発展の減速がなぜにそれほど、日本にとって危険なの? って、思う方。はい、本書をお読みください。)

そして、最後の章で小宮さんが提唱する5つの処方箋とは?!!

ふうむ。ある意味、過激だ。
とくに、処方箋2と4。
反対の人、いるだろうな。。。

賛成反対はともかくとして、5つとも、銀行などの業務と責任の定義を明確にしたうえで日本経済の現況をみると、必然的に導かれる問題点であり、その問題解決法である。

なるほど! と、DIS+COVER だ!
ただ、経済的には、○でも、政策的には、そうとは限らない。
処方箋2は、国内政治的に、処方箋4は、外交的に、かなりむずかしいだろうな。。

え!? 5つの処方箋って何かって?
それは、読んでのお楽しみって、やつで……すみません(でも、半端に書くと、誤解されてかえってよくないかも、とわたしも判断したので)

最後に。

この本、帯を外すと、タイトルの下に、さらにサブタイトルが隠れていた! 曰く、

 

 動乱の時代を生き抜く経済の読み方

そう。実は、本書。テレビや新聞で見る、経済評論家の言うことをそのまま信じ込んではいけない。自分自身の目で、耳で、判断してほしい。読み解けるノウハウを学んでほしいーーこれが小宮さんのこの本のもうひとつの目的。

本書に小宮さんが書いていることを、丸呑みして信じ込むのではなく、小宮さんがそういう考えに至った道筋をいっしょに学び、これからは、自分自身で、読み解いていってほしい。いま、起こっていること、世界の経済の動向を、自分自身で『読める』ようになってもらいたい。

多くの人がそうなることが、日本を救う。

小宮さんが最も訴えたいことだ。

あとがきとそれをヒューチャーしたカバーの袖には、次のように書いてある。

これからの動乱の時代を生きる個人にとって重要なのは、
きちんと経済を見る目を養うことです。
本書を第一歩として、経済の読み解き方を学び、きちんと自己判断できる人になってほしい、それが私の本当の願いです

実際、本書で示した小宮さんの方法は、あなたにもできる。わたしにもできる。
なぜなら、材料は、公開情報。それも、いつもみている、あれ。
そう、小宮さんお得意の日経新聞だから(月曜日の経済指標だ!)

それから、ネットで調べられる企業の決算書。公開されている国の予算の内訳など。

もちろん、基礎的な経済の知識は、事前に入門書など読んで、勉強しておく。すると、これが面白いように、経済が『分かる』。見えてくる。

本書は、財政政策というマクロ経済の読み解き方を、企業の会計というミクロ経済の手法をとりいれて用いて述べた、小宮さんならではの、きわめて画期的な本なのである!

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*PROFILE*

  • 干場弓子
    ディスカヴァー・トゥエンティワン取締役社長。魚座。愛知県立旭丘高校、お茶の水女子大学文教育学部卒業。新卒時、世界文化社入社。「家庭画報」編集部等を経て、1984年、ディスカヴァー・トゥエンティワン設立に参画し、現在に至る。夫と息子との3人暮らし。好きな言葉は、「Tomorrow is Another Day」。スカーレットの言葉です。理想の男性は、レット・バトラー。もしくは、クラーク・ケント(スーパーマン)。夫は、どちらにも、似ていない。
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