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2009年8月19日 (水)

新聞・テレビ・雑誌の次に、書籍出版社も消滅!? ●干場

夏休みの前にあっという間に読んでしまって、周りの人、みんなに(息子にも)勧めている、佐々木俊尚さんの「2011年 新聞・テレビ消滅」と、そのちょっと前に読んだ小林弘人さんの「新世紀メディア論 新聞・雑誌が死ぬ前に」。

ともに、インターネット、デジタル時代、マス広告モデルと既得権にあぐらをかいていたマスメディアが、いかに、崩壊していくか、しているかを述べたものである。

たとえば、佐々木さんの「新聞・テレビ消滅」では、
さまざまなメディアの機能を、
1 コンテンツ  2 コンテナ  3 コンベア
に分けて分析し、それぞれの部分で、他に取って代わられていく様子が解説されている。
たとえば、
1 コンテンツ=新聞記事 2 コンテナ=新聞紙面 3 コンベア=販売店
が、
1 コンテンツ=新聞記事
2 コンテナ=ヤフーニュース、検索エンジン、誰かのブログ、2ちゃんねる(いまなら、twitterもいれなければ!)
3 コンベア=インターネット
といったぐあい。

いずれも、こけおどしではなくて、実際、昨年末以来、新聞、テレビ、雑誌の広告収入の激減はかなりで、これは、リーマンショックに始まる不況のせいではない。

ともかく、新聞、テレビ、雑誌に対する危機感は、本になり、また、あちこちで耳にするのだが、同じことが、書籍においても、いえるはず。

確かに、書籍は、新聞テレビのような何千万部、何百万人というのが当たり前のマスメディアではなくて、ミリオンセラーは例外で、たいていは、1万部ぐらいのミニコミだ。だから、全く同じ構造下での危機とは言わないが、でも、デジタルとインターネットによって、紙の本をつくって取次を通じて全国の書店さんにおいてもらう、という参入壁はなくなる。

すると、1 コンテンツ=著者 も、2 コンテナ=紙の本 3 コンベア=取次・書店 というのは、くずれる。1は、著者が自分で、2は、デジタルコンテンツに、3は、グーグルやモバイルブックストアに、と、なれば、出版社いらなくなっちゃうじゃないか。なぜ、みんな言わないんだ?

だいたい、そんなことって、10年以上前に、音楽がインターネットでタダでコピーされるようになってとき、スティーヴン・キングが、自分で電子書籍での小説発表と販売を派手にやった瞬間から、わかっていたこと。
もっと危機感、あるはずなのに!

なんて、思っていたところ、昨日(というか、一昨日)、あった! まさに、そういうフォーラムが!

第1回ARGフォーラム、「この先にある本のかたち」。
岡本真さんプロデュース。国会図書館館長長尾真氏×金正勲氏×津田大介氏×橋本大也氏、総合司会は、美的理系サイエンティスト、内田麻里香さん!

こりゃ、行くっきゃない、ということで行ったわけだが、グーグルカレンダーに記載してあったものの、自分がどこかれこれを知って申し込んだのか、思い出せない。言ってみて分かった。そうだ、ツイッターで知ったんだって。だって、ツイッターでの実況中継やってたらしいから。その最中も、その日終日までも、ツイッターでは、この話題で盛り上がっていた。

なんというか、出版社不要論、みたいなところで。

きたー!ってかんじ。やっぱりね、というか。そう、理屈で考えるとそうなる。

印税9割くれれば、もっと喜んで書く、という発言も出たけれど、ふーーむ、紙の場合の印刷コスト、書店さんの役割、流通コスト、返品の負担諸々で、書店さんの粗利が23%、出版社も営業利益数%もいかない、取次もコンマ数%の世界、なんて野暮なことは言いますまい。そのためには、デジタルで、ということだったので(あと15年くらいで、紙の本はなくなると断言した登壇者も!)。

ただ、アマゾンキンドルには、定価の30%で卸さなきゃいけない、ituneストアには、20%(つまり、売上の7割、8割を、アマゾンやアップルが持って行くということ。ただし、アップルストアは3割。つまり、7がけで卸せる。なので、卸す側としては一番有利)。つまり、先のモデルでいうと、2のコンテナと3のコンベアが、アマゾンであり、アップルであり、機能として言えば、出版社に代わる仲介業者が登場しているということ。
となると、自分で顧客管理して、自分のサイトでお客さん集めて売るのがいい! ということがになるけれど、これは、ごく一部の著者の方でないと、なかなか大変かも。

本当は、ディストリビューションの部分、認知、告知の部分、つまり、営業・販促の部分が、すごく大事なんだけれど、出版社必要論を唱える人も、編集の役割みたいなことは言っていたけれど、そういう話は出なかったな。当然、書店さんのこともでなくって、残念だった……。

ま、このあたりのこと、書くときりがないので、まとまっていないが、ここで止める。

私としては、本の形はどうあれ、潜在著者と潜在読者をつなぐ機能は、ずっと必要で、それはコンテンツづくりでかかわる編集、アピールし手渡すというところの販促・営業に分かれ、いずれも必要だと思う。少なくとも、読者のことを思えば。

ただし、今の数の出版社はいらないだろうし、編集者も本当に力のある人しか、それこそ不要になるんじゃないか? 営業は、もともと出版社としては弱いので、優秀な人は今でも足りないくらいかも。ただし、やることはずいぶん変わると思うが。

以上、フォーラムの正確な報告では全然なくって、それを材料にした、わたしのいつものおしゃべり。

フォーラムでの各人の発言を知りたい方は、こちら、ツイッターのまとめ記事をどうぞ。

それにしても、先日の東京国際ブックフェアなど、業界のフォーラムではどうしても、書店さんと取次さん、それに出版社の視点になる。当然、著者の方のフォーラムでは、著者の方と出版社の視点になる。いつだったか、グーグル和解問題のセミナーで、参加していた読者の立場の方から、「読者の側に対する視点が足りない」みたいな発言があったのをふと思い出した。新しい本の形、すべての人の視点から、とりわけ、読者の方の視点から、考えていかねば!と、あらためて、思う。

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コメント

書籍や映画(DVD、ビデオ)や音楽(レコード、CD)には、「ストーリー」を核にした「こだわり」の「コレクション」機能がありますから、白痴っぽいメディアのネットでは価値が薄れてしまうんですよねw

業界のあまりの危機感のなさに、あえて、キビシク書いているし、またふだんも覚悟を持って、経営に当たっておりますが、課長007さんのようなご感想をいただくと、内心非常に心強く思っております。

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*PROFILE*

  • 干場弓子
    ディスカヴァー・トゥエンティワン取締役社長。魚座。愛知県立旭丘高校、お茶の水女子大学文教育学部卒業。新卒時、世界文化社入社。「家庭画報」編集部等を経て、1984年、ディスカヴァー・トゥエンティワン設立に参画し、現在に至る。夫と息子との3人暮らし。好きな言葉は、「Tomorrow is Another Day」。スカーレットの言葉です。理想の男性は、レット・バトラー。もしくは、クラーク・ケント(スーパーマン)。夫は、どちらにも、似ていない。
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